いきなり二本立て

「今、冬の幻想郷が熱い!」「桃源郷、現る」の二本立て+α

システムについて

「東方シリーズ」と呼ばれる同人弾幕シューティングゲームをもとにした同人TRPGである。
PC達は「幻想郷」と呼ばれる摩訶不思議な和風ファンタジー世界の住人となり、幻想郷で起こる様々な異変を解決したりすることとなる。
「独特な世界観を楽しむ」「スペルカード(必殺技みたいなもの)を自作できる」あたりがセールスポイントではないだろうか。
GMが原作のファンだったため勢いで購入し、勢いで今回卓を立てさせてもらうこととなった。
若干強引に卓を立てた感じになってしまったので、ちょっと反省。

キャラクター紹介

レディック=ミーティアスウォーム(白詰草/魔族)
一応神様な少女。 「『紅魔館』と呼ばれる洋館に来れば神様になれるよー」というガセ情報に釣られて紅魔館を訪れたものの当然神様にはなれず、紅魔館の住人に笑われるという衝撃の幻想郷デビューを果たす。 しかしそれでもめげず、自ら独特の終末思想(隕石が落ちてくる)を持つ宗教「メテオ教」の神となり、今は幻想郷の人間の里で道行く人々にメテオ教の教えを説いている。 多数の部下(ショッカー)を従えている。 やたら荘厳で威厳にあふれた支援系キャラクター。
机 竜子(勿忘草/幽霊)
史上最凶の剣士の娘。 生前は父同様凄腕かつ残虐な剣士であり、日々暗殺者に追われたりする生活を送っていたが、ある日入浴中に耳かきが耳の中に深々と突き刺さって脳に達し、帰らぬ人となった。 その後、幽霊として幻想郷の「大菩薩峠(竜子が勝手に命名)」で日々辻斬りをして暮らしている。 一見かんざしのように見える耳かきが武器であり、深々と耳に刺さった状態から耳かきを抜き放ち「抜刀」と言い張ってみたり、挨拶代わりに人を斬りつけてみたりと実にカオスである。 驚異の戦闘能力を誇る戦闘系キャラクター。

第一シナリオ「今、冬の幻想郷が熱い!」

時は1月の半ば。当然幻想郷も冬真っ盛りである。
しかしこの日は比較的暖かく、過ごしやすい日であった。
紅魔館から(笑い声を背に)出てきたレディックは偶然竜子と出会い、他愛もない話をしながら人間の里へと向かう。
道中、太陽が昇っていくのに従って、凄い勢いで気温が上がっていく。
里に着いた頃には気温は30℃を超え、辺りには陽炎が揺らめき、セミまで鳴き始めている始末。
「まぁ、こういうのは博麗神社の巫女(異変解決のスペシャリスト。原作キャラ)あたりが解決してくれるだろう」と高を括る2人。
しかしその巫女は熱射病でダウン。どうしたものかと2人が考えていると、暖かい風とともにヒマワリの花びらが飛んでくる。仕方ないのでそれを手がかりに2人は調査に向かう。
2人が向かった先は「太陽の畑」と呼ばれるヒマワリ畑。冬のはずなのになぜかヒマワリが咲いている。
人の方を向いたり人の声に合わせて踊る奇怪なヒマワリを調べると、花の裏から妖精が現れ、どこかへと飛んでいく。
ヒマワリ畑を住処としている恐ろしい妖怪(見た目は日傘をさしたきれいなお姉さん。原作キャラ)への挨拶もそこそこに済ませ、2人は妖精を追いかける。
この時、竜子がヒマワリを1輪もらい、耳かきの刺さっていない方の耳におもむろに突き刺すという謎の行動をとる。
やがて、太陽の畑とは別のヒマワリ畑を発見。妖精もそこへと飛んでいく。
後を追って2人がヒマワリ畑に入ると、そこにいたのは1人の少女。
彼女は「日向 葵」と名乗り、自分がヒマワリの妖精であること、幻想郷の外の世界からやってきたということ、この暑さは彼女の仕業であること、冬場元気のないヒマワリ(正確には根っこで歩くことのできる妖怪ヒマワリ)のためにやったということなどについて話す。
「幻想郷に住む人の迷惑については?」「別に考えてない」
仕方ないのでレディックと竜子は葵を懲らしめる。
懲らしめられた葵が今後の生活について不安がっていたところ、レディックがどこからともなくビニールハウスを取り出し、葵も喜んでビニールハウスを移住先にすることにする。
ついでに、レディックが葵にメテオ教への入信を勧め、入信させることに成功。
メテオ教に感銘を受けた葵、近くにいた竜子にメテオ教を勧め、心を動かすことに成功。
こうして葵たちはビニールハウスに住みつき、幻想郷はこれまでどおりごく普通の冬の姿を取り戻し、レディックと竜子はちらほらと雪が降る中、里へと帰って行ったのだった。
めでたしめでたし。


第二シナリオ「桃源郷、現る」

時は冬のヒマワリ事件(第1シナリオ)が終わった翌日。
レディックが朝起きると、辺りに芳しい桃の香りが漂っていた。
外に出るとその香りはより強くなっており、どうやらどこかから香りが漂ってきているらしい。
非常に魅惑的な香りであり、里の人たちは1人、また1人とその香りに惹かれ、ふらふらと香りのする方へと歩いていき、長い列となっている。
レディックがその列をたどっていくと、途中で大菩薩峠を経由し、竜子と合流。
さらに2人で列をたどっていくうちに、辺りに桃の木が生え、小川の流れる、見たこともない場所にたどり着く。
里の人々は皆おもむろに桃の実を食べたり、川の水を飲んだりして、一様に幸せそうな表情を浮かべている。
2人も桃を食べてみる。どうやら酒に近い性質があるらしく、竜子が酔っぱらう。川の水も同様のようだ。
レディックが竜子を介抱しているところへ、1人の少女が現れる。
彼女は「白楊 小桃」と名乗り、ここは桃源郷と呼ばれる場所であると告げる。彼女が桃源郷の主のようである。
彼女もまた外の世界からやってきて、桃源郷を賑わせることが目的であるという。
また、彼女は桃源郷では桃を食べているだけで幸せな生活を送ることができる、と桃源郷の素晴らしさを説く。
「幻想郷の人がいなくなってしまうのでは?」「みんな桃源郷に住めばいいじゃないですか」
「(メテオ教)信者がいなくなってしまう」
「辻斬りの相手がいなくなってしまう」
実にひどい理由である。
ということで、レディックと竜子は小桃を懲らしめることにする。
小桃も自分の信念を貫き通すため、桃を食べてへべれけになった氷の妖精(原作キャラ。ゲスト出演)を味方に、2人に立ち向かう。
が、結果として小桃(と氷の妖精)は懲らしめられる。
里の人たちを帰すことは受け入れたが、今後の生活を不安がる小桃に、レディックがメテオ教への入信を勧め、入信させることに成功。
メテオ教に感銘を受けた小桃、近くにいた竜子にメテオ教を勧め、斬られる。
こうして桃源郷は消え、里の人たちも無事里に戻り、小桃は幻想郷のどこかで小さな桃農園を営みながらメテオ教の布教に努めるようになったのだった。
めでたしめでたし。


まさかの第三シナリオ「幻想郷物盗り紀行」(添付)

まさか第3シナリオまで行くとは思っていなかった。
ということで添付シナリオ。原作キャラや原作の地名などが多数登場する。今回はPL2人ともいくらか東方を知っているようだったので、ボーナスステージ的な意味も込めてやってみた。
「このシナリオは経験点0点使用の初期作成PC2体を相手として試遊している。(キャラクター作成とセッション合わせて3〜4時間を想定)」(ルールブックより抜粋)とのことである。
キャラクター作成には1時間半くらいはかかる、シナリオが2ページ分しかない、PCは既にセッション2回分の成長を遂げている、などのことからあっという間に終わることが予想できた。
内容については添付シナリオのため伏せさせていただく。
結果として、真犯人はレディックと竜子によって成す術もなく叩きのめされ、新聞屋の天狗はメテオ教への入信を勧められた。
30分くらいで終わったような気がする。本当にあっという間だった。

感想・まとめ

こう言っては何だが、想像していたよりも遥かに遊べるシステムだった。
ルールブックには穴が多く、バランスも悪そうだと思っていたのだが、実際はメインとなる戦闘部分はかなり熱い駆け引きを楽しむことができ、スペルカードの作り方・使い方によってかなり戦略にもバリエーションが生まれる。
大量のダイスをばら撒き、派手な戦闘を楽しむことができるのにも関わらず戦闘システムは意外と軽く、それでいてバランスも悪くない。
シナリオが薄かったのはGMが原因なので反省したいと思うが、シナリオ次第で軽く遊んだり、厚みを持たせてじっくり遊んだりと様々な遊び方ができるように思う。
また、原作ファンと原作を知らないPLの間ではかなりの温度差が生じる可能性も大いにあるが、これは原作もののシステムなのである程度は仕方のないことであると思う。
しかし、原作を知らなくても遊べるゲームではあると私は思っている。
今後もまた機会があれば立てたいと思う。


※編注:遅れましたが、「前回」を掲載しました。記念すべきNo.0です。いやごめん、マジごめん。
実は二週連続の東方TRPGだったそうな。熱いぜ!

(2月21日/クニヒコ)
inserted by FC2 system