「東方シリーズ」と呼ばれる同人弾幕シューティングゲームをもとにした同人TRPGである。
PC達は「幻想郷」と呼ばれる摩訶不思議な和風ファンタジー世界の住人となり、幻想郷で起こる様々な異変を解決したりすることとなる。
「独特な世界観を楽しむ」「スペルカード(必殺技みたいなもの)を自作できる」「自作スペルカードを使ったりと戦闘が楽しい」あたりがセールスポイントだと思う。
あろうことか二週連続でこのシステムが立つこととなった(一応予備卓扱いではあったのだが)。
私としては嬉しい限りだが、RPG研究会として本当にこれでいいのだろうか。
…え、「そう思うのなら自重しろ」? やなこった。
…嘘ですごめんなさい。
前回は二つ名を記録しておくのを忘れていたので、今回は二つ名も加えて紹介。
今日もいつもと変わらない平和な一日を終えた幻想郷。
本来魔族と幽霊である風姫と恋華には睡眠は必ずしも必要なものではないが、この日は妙に眠気を感じたので、二人仲良く雲の上で眠りに就く。
そして二人は全く同じ不思議な夢を見る。
夢の中の世界は空が暗く、色が反転した幻想郷である。二人の他にも、里の人たちなど見知った顔も見える。
ぼーっとした様子であたりを不思議そうに見回している里の人から二人が話を聞いていると、やがて何人かの里の人たちが脱力したようにその場に崩れ落ち、そのまま体が透け始める。
ただ事ではないようなので、二人はこのような異変のスペシャリストである博麗神社の巫女(原作キャラ)に相談に行く。
巫女の話によるとまだ原因はわからないが、紅魔館の吸血鬼(原作キャラ)あたりなら何か知ってるかもしれないとのこと。
巫女は里の人たちの救助に行かなければならないため、何故かはわからないが自由に動ける二人ならば夢の世界と現実の世界を行き来できるのではないかということで、二人は異変解決に乗り出すことになる。
手始めに夢の中の紅魔館へと向かう二人。門番やメイド長(いずれも原作キャラ)はいたが、吸血鬼は夢の世界に来ていない模様。
仕方ないので夢の世界から目覚め、二人は今度は現実世界の紅魔館へと向かい、今度こそ吸血鬼と会う。
吸血鬼の話によると、最近二人組の悪魔(夢魔)が吸血鬼のもとを訪れ、たらふく人の夢を食べたいので協力してほしいと申し出てきたが、面倒なことになるのが嫌だったのでいくらか助言しただけで協力は断ったとのこと。
風姫と恋華がその悪魔の居場所について尋ねると、詳しくは知らないがおそらく片方は現実世界、もう片方は夢の中にいるであろうということ、現実世界の方は幻想郷全体にまんべんなく術をかけているので、幻想郷のちょうど真ん中あたりの上空にいるのではないかと言う。
二人が幻想郷の真ん中あたりの上空へと向かうと、そこにはウォーハンマーみたいなものを振りまわしている(術をかけていたらしい)悪魔っ娘が。
彼女は“享楽的な睡魔”ノア・ストラーフと名乗り、幻想郷の人々を眠らせる役目を担っていたようである。
二人は、ノアを懲らしめることにする。
激しい弾幕遊戯の末、恋華がノアにぶつかっていき、画面が赤く染まる。
信じられないように自分の腹部を見下ろすノア。
そこには、深々と根元まで刃物が刺さっていた。
「そ、んな…」
恋華が刃物を引き抜くと同時に、力尽きて落ちていくノア。
……あれ、これ何のシステムだっけ?
大丈夫、東方です。演出が弾幕遊戯のものとは思えませんが弾幕遊戯であることに変わりはありません。ノアは死んでません。
お腹を押さえながらもう片方の居場所などについて吐かされるノア。
今まではノアがみんなを眠らせていたのでもう片方は夢の中で好き勝手できたが、それができなくなった今はみんなの眠りを維持することもしなければならないので夢の世界は不安定になっていて、居場所もわかるようになっているだろうとのこと。
捨て台詞を吐きつつお腹を押さえて逃げていくノアを尻目に、再び夢の世界へと向かう(眠った)二人。
確かに夢の世界は不安定になっており、今まではなかったシンデレラ城のような建物も見える。
どう見ても怪しい城へと向かう二人。門が開いていたので中へと入る。
なんと中はワンルーム。壁しかない感じ。ハリボテにもほどがある。
そんな部屋の真ん中には魔法陣が床に描かれ、その中で悪魔っ娘が何やら踏ん張っている。
「そこはトイレじゃないわよ」(風姫)
「わかってるわよ!っていうかあんたら誰!?」(悪魔っ娘)※注釈:必死にみんなの眠りを維持していたのであって、決してトイレではありません。本当に。
彼女は“終わりなき悪夢の支配者”メア・ヴァローナと名乗る。ノアの相方である。
「ノアをどうしたんだ!」と問い詰めるメア。
無言で刃物を見せる恋華。
「観念しろ、さもないとお前も同じ目にあうぞ(意訳)」と言い放つ風姫。
メア、絶望。
「よくもノアを…!仇討ちだー!」
ということで戦闘(弾幕遊戯)。こうしてみるとひどい話である。
激しい戦いの末、風姫のカウンターによりメアは力尽きる。
しかし夢の世界の崩壊間際、せめて二人を道連れにしようとメアがラストスペルを発動。
二人はどうにかそれを乗り切り、こうして悪夢は終わりを迎える。
里の人はどうにか無事であり、懲らしめられた二人の悪魔はもうこのような騒ぎを起こさないことを約束する。
そして活躍を里の人に大々的に知らしめる(恋華がサクラとして活躍)ことにより、風姫は新たに24人の信者を得る。
こうして異変は解決し、疲れた二人は今度は改めて穏やかで平和な眠りについたのだった。
めでたしめでたし。
前回のセッションを参考に、今回はまたいろいろと実験的な要素を取り入れてみたセッションとなった。 シナリオについてだが、前回はあまりにも短かったため、今回は長めのシナリオに挑戦してみた。 急ごしらえであったため粗いシナリオとなってしまい、それについては反省したいところではあるが、結果として実セッション時間は4時間半〜5時間というところだろうか(これも計っていたわけではないので何とも言えないが)。 シナリオ次第では長時間でも短時間でもできるシステムであると思う。 シナリオのボスについても、前回はあまり手ごたえがなかったように思えたので、今回はかなり強化してみた。 しかしこれについては強化しすぎたようで、恋華がスキル「あなたと一緒に」(後述)を取得していなければ全滅していた可能性が高い。反省。次からはもっと適切な強さのボスを出すようにしたい。
また、今回は「東方らしさ」を少し意識したシナリオにしてみたつもりである。 前回ではほとんどゲスト扱いであった原作キャラも今回のシナリオでは普通にNPCとして登場し、シナリオタイトルも原作シリーズを意識した。 ラストスペル(正式名称かどうかは自信がない。一部原作シリーズのラスボスなどが使ってくる一定時間耐えきるタイプのスペル、耐久スペル)についても同様である。 これはルールブックには書かれていない私オリジナルのルールであり、長編シナリオのラストの演出などでは使えるかもしれない。今回のシナリオでは今一つだった。
東方はファンも多く、東方を知らないプレイヤーと東方ファンのプレイヤー間で激しい温度差が生じる可能性はある。 なので、それぞれに対しどのようにすれば楽しませることができるかを模索しようと考え、今回は前回とは趣向を変えてみた。 私が未熟であることもあり今回と前回だけではまだこれといって明確な答えは出せていないが、新人対応のことなども考え、今後もまた機会があれば卓を立てて模索していきたいと思う。
※編注:「前回」…?っ、しまった!申し訳ありません、後ほど追加します。
本文中の「ラストスペル」ですが、三段階の強力な全体攻撃を最後の最後に行って耐えさせる、というものだそうです。是非ご参考に。