RPG的精神論 第二回
 「RPGにおける叫びの心理的効果」

口に出してみれば、それが真実に変り得ることに気付くでしょう。たとえそれがどんなにうそ臭くても。
    ──ミリア・エストリアス


第1章「そんなこともあろうかと」

 賢明な読者の方はご存知だとは思うがRPGにおけるもっともポピュラーな叫びはもちろん「そんなこともあろうかと」である。それがもっとも端的に表れている一例を御見せしよう。

GM(編集者)「そんなこともあろうかと、この宝箱の中にはバンパイヤが潜んでいる」
PC(作者)「そんなこともあろうかと、いつのまにかニンニクが買ってあったりする」
GM「何!! ではそんなこともあろうかと、君の荷物は降りてきた時に上に置き忘れてきた」
PC「何だと!! ではそんなこともあろうかと、さっきから手に持っていた」
GM「何をこしゃくな!! ではそんなこともあろうかと、このバンパイヤは対ニンニク専用防臭マスクをしているぞ」
PC「何を言おうとこれで終わりだ!! そんなこともあろうかと、おまえはもう死んでいる!!!!
GM「何!! それは知らなかった……」

 以上のように「そんなこともあろうかと」という言葉は、私が述べようとする叫びとはまったく関係ないのである(編注:何!! それは知らなかった……)
 しかしながら叫ぶという行動の一つの意味「相手を威嚇して従わせようとする」ということは、先ほどの文で理解していただけたものと決定している。太古の昔から人は特に戦場において叫んでいた。誰だって死にたくない。しかし、戦場においては常に誰かが死ななければならない。そんな時あなたの強い味方になってくれるのが叫びである。あなたも戦場に出るようなことがあったら試してみるとよいでしょう。きっと敵は驚いて何も出来ないままに倒されてしまうでしょう(編注:試してみたら敵に見つかって撃たれました by SHADOWRUN)

 もう一つの叫ぶことの意味は恐怖を追い払うことである。ここで賢明な読者諸君はひとつの疑問にぶち当たらなければならない、そうそれは恐怖に耐えられなくなった者が叫ぶのではないかということだ。しかしそれも他のたくさんの疑問とともに、「恐怖に耐えられなくなった者が許容量を超したが故に自らのうちに内包しておくことが出来なくてその全てを吐き出しているのである」という詭弁によって説明される。

 そのようなわけで私たちはもっと頻繁に叫ばなくてはならないのである。叫んで叫んで叫びまくって本来感じているであろう恐怖を再現してみてもいいかもしんない
 

第2章「日常とRPGとの狭間で」

 日常生活においてあなたは叫ぶことが出きるだろうか。例えば日曜日午後1時ハチ公前で(秋田にある方でもOK)、「何が、『日曜日午後1時にハチ公前に来てね』だーーー!!」と頭を抱えながら叫んでみなさい。周りの人の半分は白い目で、残りの半分は哀れみの目であなたを見ることでしょう。
 このように日常生活において思わず叫んでみるととても不幸な気分になる。しかしながらRPGにおいては叫ぶことに一切のわずらいがなく、思う存分思いの丈を叫ぶことが出きるのである。これをもって「RPGにおける叫ぶことによる精神汚染」略してGガンダムというのである。この論理の発見においてRPG的精神論は1回分のねたを勝ち取ることが出来たのだ。これほどすばらしいことが他に有るのだろうか異や有る。



本日の名言

何!! それは知らなかった……。
    ――編集者


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