レポート No.10

ダブルクロス The 3rd Edition

  
製作: 矢野 俊作/FEAR
出版社: 富士見書房
ジャンル: レネゲイドアクションRPG



<はじめに>
 昨日と同じ今日。今日と同じ明日。世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。だが、人々の知らないところで、―世界は大きく変貌していた。
 ダブルクロス The 3rd Editionはほんの少し未来を舞台とした、異能もののRPGシステムです。あなた方プレイヤーは『オーヴァード』と呼ばれる超人となり、それぞれの理由で戦うこととなります。

<世界観>
 20年前、中東某国の遺跡より帰還する発掘隊の乗った輸送機が撃墜されるという事件が起きました。その積荷であった発掘品に含まれていた未知のウィルスは全世界に拡散。以降、各国は従来の理屈では説明のつかない事件の対処に追われることになります。
 そして現在。未知のウィルス・レネゲイドと、その感染者である超人・オーヴァードの存在は各国政府と、人類と超人の共存を掲げる組織・UGNによって隠ぺいされ、一般には存在しないことになっています。しかし、社会の裏側では、UGNやテロ組織・FHを初めとした各勢力が、主義や権益や日常を巡って暗闘を続けています。
 世界は、表向き平和です。今のところは。

 レネゲイドに感染・発症し、超常能力を得たもの(人間が中心ですが、動物や器物、はては噂にさえ感染します)を、オーヴァードと呼びます。
 能力は超高速の『ハヌマーン』、電磁操作の『ブラックドッグ』など多数に分類され、また、それらのシンドロームから取得した個々の能力を自由に組み合わせることで、オリジナルのコンボを作ることが可能です。
 殺されて死なないのは当たり前、数千度の火炎を操り、戦車を素手で粉砕する彼らに常人が敵う道理がありません。

 あるキャラクターが拠り所にしている人やものを『ロイス』と呼びます。
ロイスは、相手との関係が変化(死んだり裏切られたり)することにより『タイタス』へと変化し、消費することで能力の増強や自身の蘇生など、強烈な効果をもたらします。
 超人は絆により更なる力を得るのです。

 そんな超人たちが主に戦うことになるのが、『ジャーム』と呼ばれる怪物たちです。強大な能力を、時には人間以上の知能を持って、しかし衝動のままに振るう彼らを止めることができるのはオーヴァードだけです。
 なに、容赦は必要ありません。彼らには理性がない。人間ではないのです。

 ところで、強大な能力には代償が伴います。能力を使うたびにレネゲイドウィルスは心身を蝕み、最終的にジャームへと変異させるのです。それに対抗することができるのは絆、つまりタイタスと化していないロイスのみです。
 もちろん、ジャームや能力を悪用するオーヴァードから日常を守るには、能力を最大限使いこなし、ロイスを使い潰し続ける必要があります。
 いつ、誰が日常へと牙を剥くかも分からないのです。自分自身も含め。

<まとめ>
 以上のように、ダブルクロスは強大な力を振るい、しかし怪物でも人間でもないものたちを描くRPGです。心配は必要ありません。一般人からすれば、あなた方も化け物と変わりありませんから。
 もしも、それでも自らを人間だと主張するならば、銃を取り、炎を纏い、拳を鉤爪へと変えて戦わねばなりません。もちろん、その結果貴方が賞賛を得ることも、あなた方自身が壊す側にならないという保証もありません。
 では、ご健闘を。

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