レポート No.8

ガープス リング★ドリーム

     
製作: 佐脇洋平・泥士郎と実験室
出版社: 角川スニーカー
出版年: 1994年
ジャンル: 女子プロレス



はじめに


出たーーーーー、田中のラリアットが熊野に炸裂!!!

さらにさらに田中、容赦なく熊野を踏みつけるぞ。

熊野はダウンか!?



リング★ドリームは、女子プロレスをやるためのRPGです。あなたたちは全員が女子プロレスラーになります。舞台は現代日本です。

最終的な目標は、チャンピオンになることです。しかしそれまでの過程はきわめて厳しいです。挫折、感激、変身、勝利、友情、努力様々なドラマが待っています。試合では自分のキャラの持ち味を生かし、熱い試合をすることが求められます。

ライバルはあなたの周りにたくさんいます。将来は先輩レスラーも倒さなければならないでしょう。後輩レスラーに苦戦するかもしれません。また下手すると大怪我をすることもあり、引退になることもあります。


概要


リング★ドリームは、GURPSがベースになっています。GURPSは、汎用系RPGシステムであり、サプリメントを加えることによって、様々な世界を再現できます。ファンタジー、格闘技、サイオニクス、そして女子プロレスなど様々なサプリメントがあります。GURPSリング★ドリームは、サプリメントの一種です。

GURPSでは、キャラクターポイント(CP)を用いてキャラクター作成をします。CPを用いて能力値を決めたり、様々な特徴を決めます。目安としては、新人レスラーが150CPで、トップクラスになると300CPになります。

<レスタータイプで方向性を決めよう>

キャラクター作成で重要なことは、大雑把な方向性を決めることです。リングドリームでは、レスラータイプ(クラス)を決めることで、得意技をある程度絞って行きます。一口にプロレスラーと言っても、様々なタイプのレスラーがいます。たとえば、体格は華奢だけど空中殺法が得意なタイプ(代表例:豊田真奈美)もいれば、ものすごく体格は良く悪者(ヒール)で打撃技をバシバシ放つタイプ(代表例:アジャコング、ブル中野)もいます。

代表的なレスラータイプは以下のようになります。


他にも柔道やアマレスが得意な格闘型や、どれでも程よくできるスタンダードタイプ、悪役や反則技が得意なヒールがあります。掛け持ちもできますが、得意技取得の制約が厳しくなります。

<得意技を決めよう>

大雑把な方向性が決まったら、得意技を取ります。これによりレスラータイプだけでは表現し切れない、より細かな個性を決めることができます。自分のレスラータイプ以外の技を取ることもできますが、条件はちょっと厳しくなります。技のイメージをつかめなくても大丈夫です。リング★ドリームでは、100近くの技が、イラスト付きで丁寧に説明されています。

更に得意技は、CPを用いて強化することもできます。しかし一つの技を集中的に強化するのは好ましくありません。なぜなら試合中に同じ技ばかりを繰り返すと、単調な試合になってしまうからです。なので、序盤は命中しやすい小技、中盤あたりからは少し難しい中技、そして最期を決める決め技を持つべきです。


<プロレスの注意事項>

さてここで注意したいことがあります。 プロレスは観客を喜ばすことが求められます。 ワンサイドな試合ではなく、一進一退な試合をすることが重要です。一方的に勝ったとしても、先輩レスラーに殴られるのがオチです。「てめーしょっぱい試合(華がなくつまらない試合)をしやがって」と。あまりにも強さを追求して作成したキャラは、下手すると白ける試合になる可能性が高いのです。それでもプレイヤーの意志次第でどうにかなります。

あと避けてばかりいるのも、つまらない試合になりがちです。ぶつかり合いのないプロレスなんて、プロレスではありません。たとえ自分にとって戦術的な利益がなくても、相手の見せ場を作るために自分から突っ込んだり、攻撃を受けることも、白熱した試合になるためには重要です。ここが普通のファンタジーRPGとかなり違うところです。

<観客を敵に回すな>

基本的に試合は、一対一で行われます。(タッグマッチもありますが、ルールが不十分であるので、限られた状況でしかできないです。)では残ったプレイヤーは、どうするかというと、傍観するだけではありません。なんと観客役をやります。観客は「観客ポイント」と呼ばれるポイントをいくつか持ちます。観客ポイントを使われた選手は、起き上がり、攻撃、フォール返しなどをするときに、有利になります。したがってしょっぱい試合を行う選手には、観客ポイントは来にくくなります。なぜならつまらない試合になってしまうからです。あとしょっぱい試合をすると、経験点が減点されます。ちなみに経験点は、試合の勝ち負けにはいっさい依存しません。プロレスはただ勝つだけでなくて、観客の支持が非常に重要であることを再現しているルールです。

むすび


私は、GURPSもプロレスもあまり知らないです。最初は女子プロなんて全然わからないし・・と思いました。しかしこの本は非常にわかりやすいです。先輩レスラーと新人レスラーの会話形式で話が進んでいくので、プロレスを全然知らなくても問題ありません。イラストも非常に多いです。たとえばプロレスの反則、会場の雰囲気、レスラーの生活、レスラーの装備品にも、徹底的にイラストを用いて解説されています。100近くの技のイラストも、イメージの助けになります。

プロレスを知らなくても、格闘技もの,スポ根女子もの, ヒーローものなどが好きであれば、とっつきやすいとは思います。


「身体を鍛えた。技を覚えた。それだけじゃプロレスはできねえんだよ」
(ブラッディ井上 週刊女子プロレスのインタビューより)

白熱した試合をしよう!

さあ試合開始!!カーーーーーン!!

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